年末調整の前に確認しておきたいこと
11月に入り、年末調整の時期が近づいてきました。
この時期になると、保険会社から「生命保険料控除証明書」や「地震保険料控除証明書」が届きます。
大切な書類だとは分かっていても、
「どの保険の証明書なのか分からない」
「会社に提出するまで、どこに保管したか忘れてしまった」
「電子データで届いたけれど、どう使えばよいのだろう」
ということはありませんか。
控除証明書は、年末調整や確定申告で保険料控除を受けるために必要となる書類です。後になって慌てないよう、届いたら早めに内容を確認しておきましょう。
そもそも、控除証明書とは?
控除証明書は、その年に支払った保険料のうち、保険料控除の対象となる金額などを証明する書類です。
主なものには、次の2種類があります。
- 生命保険料控除証明書
- 地震保険料控除証明書
生命保険料控除証明書には、一般の生命保険料、介護医療保険料、個人年金保険料などの区分が記載されています。
地震保険料控除証明書は、地震保険料控除の対象となる保険料を確認するためのものです。地震保険料控除は、その年に支払った対象保険料の金額に応じて、所得から一定額を差し引く制度です。
控除される金額がそのまま戻ってくるわけではありません。控除額を所得から差し引いたうえで、所得税などが計算される仕組みです。
届いたら、まずここを確認しましょう
控除証明書が届いたら、そのまま保管するだけでなく、次の点を確認してみてください。
お名前や住所に間違いはありませんか?
契約者名や住所が現在の情報と合っているか確認しましょう。
引っ越しや結婚などで住所・氏名が変わっている場合、保険会社へ変更手続きが済んでいないことがあります。今回の控除証明書が届いても、今後の大切なお知らせが旧住所や旧姓のまま送付される可能性があります。
変更手続きがお済みでない場合は、早めに保険会社または代理店へご連絡ください。
どの保険の証明書か分かりますか?
複数の保険に加入している場合、控除証明書も複数届くことがあります。
証明書には、契約者名、保険会社名、証券番号、保険の区分、申告に使用する金額などが記載されています。
封筒だけを見て判断せず、証明書の内容を確認し、どの契約に関する書類なのか整理しておきましょう。
提出まで大切に保管しましょう
書面で届いた控除証明書は、勤務先への提出や確定申告が終わるまで、紛失しない場所に保管しておきましょう。
ほかの郵便物と一緒にしてしまうと、提出時に見つからなくなることがあります。「年末調整関係」「税金関係」など、専用の封筒やファイルを一つ用意しておくと安心です。
火災保険の書類なのに、なぜ地震保険料控除?
火災保険を契約している場合、火災保険の契約に関する書類と一緒に、地震保険料控除証明書が送られることがあります。
ここで注意したいのは、一般的な火災保険料がそのまま地震保険料控除の対象になるわけではないという点です。
地震保険料控除の対象になるかどうかは、ご自身で保険の名称から判断するのではなく、保険会社などから交付される控除証明書の記載内容をご確認ください。
所得税の地震保険料控除は、その年に支払った対象保険料が5万円以下の場合はその支払額、5万円を超える場合は5万円が控除額の上限となります。
控除証明書が見当たらないときは
「ほかの郵便物と一緒に処分してしまった」
「届いたかどうか分からない」
「以前の住所に送られているかもしれない」
そのような場合は、まず保険会社の契約者向けページやアプリを確認してみましょう。契約によっては、インターネットから再発行の手続きができることがあります。
手続き方法が分からない場合は、保険会社または代理店へお問い合わせください。
年末調整の提出期限が近づくと慌ただしくなります。再発行や住所変更に時間がかかる場合もありますので、控除証明書が見当たらないときは早めに確認しましょう。
会社や事業所でも、早めのご案内を
法人・事業者の皆さまにとって、11月は従業員の年末調整を進める時期でもあります。
従業員の方へは、次の点を早めに案内しておくと、書類の提出がスムーズになります。
- 控除証明書が届いているか確認する
- 紛失しないようにまとめて保管する
- 提出期限を確認する
- 氏名や住所に変更がないか確認する
- 電子データを利用する場合は提出方法を確認する
令和8年分の年末調整では、各種申告書や手続きに加え、前年から変更された点についても国税庁から案内されています。担当者の方は、最新の年末調整資料も併せて確認しておきましょう。
控除証明書は、保険を整理するよいきっかけです
控除証明書を確認していると、
「この保険は、どのようなときに役立つのだろう」
「以前に入った保険だけれど、今の生活にも合っているだろうか」
「似たような保険がいくつかあるような気がする」
と感じることがあるかもしれません。
控除証明書に記載されているのは、主に控除の対象となる保険料や契約情報です。詳しい保障内容のすべてが記載されているわけではありません。
保障内容を確認するときは、保険証券や「ご契約内容のお知らせ」なども一緒に確認しましょう。
保険の見直しは、必ずしも新しい保険へ入り直すことではありません。まずは、現在加入している保険を把握し、今の暮らしやご家族の状況に合っているかを確認することから始まります。
分からないときは、お気軽にご相談ください
控除証明書を見ても、
「どの金額を使えばよいのか分からない」
「どの契約の証明書なのか確認したい」
「証明書を紛失してしまった」
「住所や名義の変更が済んでいるか確認したい」
という場合は、お早めにご相談ください。
当社でお取り扱いしているご契約について、控除証明書の発行状況や再発行方法、登録情報などを確認いたします。
なお、年末調整の記入方法や税金の具体的な計算については、勤務先の担当部署、税務署または税理士へご確認ください。
年末の忙しさが本格的に始まる前に、控除証明書がそろっているか、一度確認してみませんか。
参考資料・出典
本記事は、2026年10月30日時点で確認した、次の公的資料を参考に作成しています。
- 国税庁「No.1140 生命保険料控除」
生命保険料控除の概要、控除区分、控除額および手続きに関する資料。 [nta.go.jp] - 国税庁「No.1145 地震保険料控除」
- 地震保険料控除の対象、控除額、旧長期損害保険契約の経過措置および手続きに関する資料。 [nta.go.jp]
- 国税庁「保険と税」
生命保険料控除、地震保険料控除、控除証明書の提出および電子データの利用に関する資料。 [nta.go.jp] - 国税庁「No.1141 生命保険料控除の対象となる保険契約等」
一般生命保険、介護医療保険、個人年金保険など、控除対象となる契約に関する資料。 [nta.go.jp] - 国税庁「No.1140 生命保険料控除 よくある質問」
契約者と保険料負担者が異なる場合などの取扱いに関する資料。 [nta.go.jp] - 国税庁「年末調整がよくわかるページ(令和8年分)」および「令和8年分 年末調整のしかた」
- 令和8年分の年末調整手続き、各種様式、記載例および前年からの変更点に関する資料。 [nta.go.jp], [nta.go.jp]
本記事は、一般的な情報提供を目的として作成したものです。個別の契約内容、税務上の取扱い、適用要件などについては、保険会社、勤務先の年末調整担当者、税務署または税理士へご確認ください。制度の内容は、法令改正などにより変更される場合があります。
