新年度が始まり1か月が過ぎました。転勤や就職などで新たな環境の中でお仕事をされている方もいらっしゃると思います。人が集まれば様々な問題も起こります。その中でも職場ハラスメントは、重大な問題です。特に中小企業では、各企業の企業文化と結びついて知らない間にハラスメントが発生している事もあり得ます。悪意のあるものは別として経営陣の良かれと思って行った行動も問題になる時代です。1つの行動で企業責任を問われたり、職場秩序の乱れや業務への支障が生じたり、貴重な人材の損失につながります。また、誰でもSNSで情報発信できるためネット上の炎上などというリスクも抱えています。職場におけるハラスメント行為について確認して、ハラスメントが発生しない環境を作ることが大切です。職場でのハラスメントは法律で定義されており、近年は改正労働施策総合推進法(パワハラ防止法)などによって企業に対して防止が義務付けられています。以下に主なハラスメントの種類と内容について簡単にまとめています。ご自分の環境と照らし合わせてご確認ください。
パワハラ
- 優越的な関係を背景とした言動:職務上の地位や人間関係などの優越性を背景にした行為。
- 業務上必要かつ相当な範囲を超えたもの:精神的・身体的な苦痛を与える行為で、業務の適正な範囲を超えて行われるもの。
- 労働者の就業環境が害される行為:被害者の職場環境を悪化させる行為。
具体的なパワハラに抵触する例として、「人格を否定するような言動を行う」「他の労働者の面前における大声での威圧的な叱責を繰り返し行う」「長期間にわたり、別室に隔離したり、自宅研修させたりする」などが該当します。逆にハラスメントとならない例として「その企業の業務の内容や性質等に照らして重大な問題行動を行った労働者に対して、一定程度強く注意をする」ことなどはパワハラに該当しないと言われています。
セクハラ
- 対価型セクハラ:労働者の対応により労働条件に不利益を与える性的な言動。
- 環境型セクハラ:性的な言動により就業環境が害されること。
具体的なセクハラに抵触する対価型セクハラの例として「営業所内において事業主が日頃から労働者に性的な発言していたが、抗議されたため、その労働者を降格させた」環境型セクハラの例としては「事務所内において上司が労働者の腰、胸などに度々触ったため、その労働者が苦痛に感じてその就業意欲が低下した」などが当たります。またセクシュアルハラスメントは、異性だけでなく同性に対するものも含まれます。
妊娠・出産・育児等に関するハラスメント
- 妊娠・出産に関連するハラスメント:
- 妊娠したことや出産したことを理由に、上司や同僚から不利益な取扱いを受けること。
- 例: 「休みをとるなら辞めてもらう」と言われるケース。
- 育児休業等に関連するハラスメント:
- 育児休業や介護休業などの制度を利用したことを理由に、就業環境が害されること。
- 例: 上司が時間外労働の免除を求めた際に「次の査定の際は昇進しないと思え」と言うケース。
*参照資料 厚生労働省:あかるい職場応援団HP:パワーハラスメント定義について